読者の質問…
王国会館とは何ですか
王国会館とは,エホバの証人が崇拝のために用いている建物のことです。世界中で,幾万もの王国会館が使用されています。毎週,エホバの証人の10万5,000余りの会衆が,そうした会館で集まっています。
どの王国会館でも,主な会場で聖書教育のための様々なプログラムが行なわれます。大抵ステージがあり,そこで集会の司会や講話がなされます。普通,聴衆席には100人から300人ほどが座れるようになっています。一つ以上の補助会場,会議室,小さな図書室などが設けられている場合もあります。図書室には聖書に関連した出版物や辞書などが置かれており,会衆の成員は自由にそれらを使うことができます。
しかし,王国会館には,キリスト教世界の教会でよく見られるような宗教的な備品はありません。祭壇や像や十字架などはないのです。なぜでしょうか。エホバの証人は,そのようなものを用いることは「偶像礼拝から逃げ去りなさい」という聖書の命令に反すると信じているからです。(コリント第一 10:14。ヨハネ 4:24)多くの教会や寺院には凝った装飾が施されていますが,対照的に王国会館は機能的でシンプルなデザインになっています。建物にではなく,その中で行なわれる聖書教育に重きが置かれているのです。
なぜ“王国会館”という名前なのでしょうか。そこで開かれる公の集まりは,聖書の教えと,イエスの宣教の主題だった「神の王国」という聖書の中心的なメッセージに焦点を当てています。(ルカ 4:43)ですから,1930年代に用いられるようになった“王国会館”という名称は,その建物の目的を適切に表わしています。真の崇拝を推し進め,『王国の良いたより』を宣べ伝える活動の拠点となるという目的です。(マタイ 24:14)したがって,王国会館が社交的な催しや営利目的で使われることはありません。建設や運営のための費用は,すべて自発的な寄付によって賄われます。献金皿が回されることはありません。寄付をしたいと思う人のために,寄付箱が設置されています。
王国会館は世界中どこでも同じ目的のために用いられますが,大きさや建築様式は実に様々です。その土地の気候や,入手できる建築資材,また現地のエホバの証人の経済状況によってデザインが異なります。レンガや木材や石で造られた建物もあれば,草ぶき屋根で壁が竹でできた吹き抜けの建物もあります。
王国会館で開かれる集会には,だれでも自由に出席できます。(ヘブライ 10:25)毎週行なわれる公開集会では聖書に基づく講演がなされますが,それは会衆の成員だけでなく新しい人にとっても興味深い内容になっています。あなたもお近くの王国会館に足を運んでみてはいかがでしょうか。